ジェンダー&スポーツコーチングプログラム第一回目の研修でジェンダーステレオタイプを考える

コーチらがスポーツと社会におけるジェンダー問題の解決策について話し合う
コーチらがスポーツと社会におけるジェンダー問題の解決策について話し合う ©Hiroki Nishioka/Play Academy

プレー・アカデミー with 大坂なおみは、日本のスポーツにおけるジェンダー問題についてのディスカッションの場を設ける。

今年3月にキックオフさせたプレー・アカデミーの新たな試みスポーツ現場におけるジェンダー平等を目指す指導者のためのネットワーキングプログラム(通称:ジェンダー&スポーツコーチングプログラム)の一環として、3 つ予定されている研修の第一回がを5 月下旬に対面で都内で開催。本研修には21名のスポーツ関係者が参加者し、ジェンダーの基礎、そしてスポーツにおいてジェンダーの視点がなぜ重要なのかについて追求。

城西大学教授の山口理恵子氏が招かれ、ジェンダーの定義と歴史的背景、スポーツと社会における問題や対処するためのさまざまな取り組みについて議論。 そしてステレオタイプとその脅威を分析したうえで、スポーツにおける否定的なジェンダーステレオタイプとそれを取り除くための対策についてグループディスカッションを行い、各グループで発表。

プレー・アカデミーの助成対象パートナー 4団体に加え、他のスポーツプログラムのコーチ、現役アスリート、プログラム リーダーなど多岐にわたり全国から参加し、以下のような感想を述べた:

『表面的にジェンダーを捉えるのではなく、ジェンダーがどのように設計されているのかの構造を把握した上で向き合うこと。ステレオタイプへの向き合いは、プロセス、ロールモデル、ステレオタイプを持ち出した本人に自分ゴトとして戻すこと。』

『「ジェンダー」というよく聞く、知っているつもりのワードに対して、それが生まれた社会的な構造問題から理解することができたこと。』

『他の競技にかかわる方のご意見を聞けて勉強になりました。』

『女の子のスポーツ環境を整えるには、多様な課題があると再認識しました。

ステレオタイプの脅威については、気づかないうちに発言しているかも?と思うところがありました。』

『自分が無意識に持ってしまいがちなバイアスに気づくことができ、またそれがどのような歴史をバックグラウンドに持っているのかにも目を向けられたことが良かったです。また、最後のグループワークでの先生の「気づくだけではなく、どう行動するのがいいのかも考えてみてください」という言葉も印象的で、気付きだけに終わらず自分の今日からの行動をどう変えるか?にも改めてフォーカスを当てたいと感じました。』

参加者は本研修を通しジェンダー問題に手ごたえを感じ、自分たちの周りに存在するステレオタイプについて考える・考え直すいい機会となった様子。今後も「ジェンダーとスポーツコーチングプログラム」を通じて得た知識をアクションに繋げるため、継続的にサポートしていきたい。

プレー・アカデミーはS.C.P. Japanと提携し、スポーツ現場におけるジェンダー平等を目指す指導者のためのネットワーキングプログラムを3月に開始。 目的は、よりジェンダーインクルーシブな環境を構築し、日本の女の子の活躍の場を公平にすることです。 プログラム詳細については、こちらから。 次回は、ロンドンで開催されるローレウス・スポーツ・フォー・グッド・グローバル・サミットに参加した方々の報告と情報交換会を「女子コーチングとスポーツにおけるジェンダー平等」のテーマで開催。

文: Play Academy