グローバル・サミットの学びをインプットからアウトプットへ

People gather in a circle listening to activity instructions
Play Academy’s partners from Japan attended the 2023 Laureus Sport for Good Global Summit in London

6月20日~22日の三日間ロンドンでローレウス・スポーツ・フォー・グッドグローバル・サミット(以下、グローバル・サミット)に日本を代表して、「プレー・アカデミー with 大坂なおみ」のパートナー団体関係者ら8名が出席(グローバル・サミットの詳細について)。「Coaching Girls and Gender Equity in Sports/女の子のためのコーチングとスポーツにおけるジェンダー平等」のテーマの元、世界中から約400名の参加者と共に知識を共有し、多くのインプットを得た。

グローバル・サミットに参加者した関係者らは、帰国後の7月4日に『スポーツ現場におけるジェンダー平等を目指す指導者のためのネットワーキングプログラム(通称:ジェンダー&スポーツコーチングプログラム)』のネットワーキング会の一環で学びを早速アウトプット。オンラインでアットホームな雰囲気の開催となった報告座談会では各メンバーが登壇者となり、得た知識と学びを共有した。印象に残った内容という問いに対し、ラクロスを通じて子ども達をエンパワーするプレー・アカデミーの助成受給団体スポコンの石渡圭輔氏は、「女の子や女性の成長に対しての投資が大事であり、それをする事によって社会全体が底上げされていく」という事を再認識したと話した。また、プレー・アカデミーの研修パートナーである、S.C.P. Japanから参加した折目真地氏がそれに共感する形で、「投資というワードが沢山サミットで出ていて、女の子の為にお金や人材、リソースを注いでいくことが女の子の為だけではなく、その先にある社会に繋がっていく」と青写真が描けたと述べた。日々それぞれのスポーツで女の子の為に活動している中で直面する壁や課題にとらわれ、青写真が見えずらくなる状況もあるが、いかに自分たちの活動が社会 基準の底上げや社会変革に繋がっているかを改めて気付く機会となった様子。更には、日々女の子のエンパワーメントと励んでいる大人たち自身のエンパワーメントにもなり、同じ分野で活動する同志の間でモチベーション向上も出来たと登壇者は賛同した。また、報告座談会の参加者も「スポーツを通じた女性のエンパワーメントは世界的にニーズがあり、社会変革に直結している」という学びを得たとし、早速この輪が国内でも広がり、アウトプットを形にするいいスタートをきった。

一番期待され、反響も大きかったすぐに活かせる事例・実践的な学びとして、プレー・アカデミー過年度助成受給団体の流通経済大学を代表し参加した鈴木啓太氏が
アメリカの団体Center For Healing and Justice Through Sport (CHJS)のブレイクアウトセッションで共有されたCHJSが作成したプレイブックに掲載されている「セーフスペース作り」のチェックリストを挙げた。日本ではまだ浸透が遅れているセーフガーディングの概念。プレー・アカデミー助成受給団体は先駆けてセーフガーディングの研修を重ね、理解を深めている中こういった分かりやすいチェックリストの重要性と知識の拡散に使えるいいツールの入手し、広く共有する良いきっかけにもなった。また、プレー・アカデミーを代表した参加者以外に日本からは日本スポーツ振興センターの山田悦子氏が登壇し、 「SDGs達成へ向けたスポーツの活用ガイドブック 
 スポーツを通じた社会課題解決のための政策/事業の設計・実施・モニタリング・評価方法 」
というガイドブックを紹介。本年度よりプレー・アカデミーの助成受給団体となった桃山学院教育大学から参加した中村浩也氏は、「このガイドブックは企画と実践の溝を埋め、プログラム運営をよりよくする為にとても役に立つもの」だと絶賛した。また、これらの情報共有は「とても興味深く、さっそく子どもたちの指導などに取り入れたいと思いました」と参加者からの感想も届き、今後色々なプログラムや形で活かされていく事を期待。

最後に、日本からの参加者がグローバル・サミットで提供した運動プログラムに関しては、良いチームビルディングともなり、参加した他のグローバル・サミット出席者参加者から「とても良かった、全員参加・協力型でみんなが一員となれて楽しかったなどのフィードバックがあり、運動しながら日本語や日本文化の発信がとても印象的だった」と、プレー・アカデミーの篠原果歩プログラム・マネージャーがシェア。

本報告座談会はグローバル・サミットに参加した8名が振り返る中で学びや知識、教材をシェアし、アウトプットした事によって更に学びの輪を広げることが出来た。また、報告座談会に参加した方々がこれをまた活かし共有する事で「種まき」となり、その先に繋がるー社会変革という「大きな絵」への大事な一歩となった。

文: Play Academy