プレー・アカデミー助成団体GOALS Haitiが、無き道を通り女の子たちをエンパワーしている

Girls doing warm-up drill in a circle
Play Academy with Naomi Osaka provides funds to GOALS Haiti who use soccer to empower girls ©GOALS Haiti

Googleマップでハイチのデストラを検索。この村は、世界有数の検索エンジンで検索しても何も結果が出ないほど、辺鄙で孤立した場所である。一番近い舗装道路は徒歩で約30分。学校もなにも無い。デストラ村の多くの子どもたちにとっては、サッカー場が学校。

本を読むこと、食育や収穫、性教育や10代の早期妊娠を防ぐことなどを学ぶ場である。GOALS Haitiは、サッカーという強力なツールを使ってハイチの遠隔地に住む若者とその家族に力をエンパワーしている。

GOALS Haitiのエグゼクティブ・ディレクターのKathy McAllister氏は、「サッカーは、GOALS Haitiのすべての要素のコアな部分であり、子どもたちを私たちのプログラムに引き込む火付け役でもあります」と語る。「サッカーはハイチで最も人気のあるスポーツで、子どもたちはワールドカップを熱心に見ます。なのでサッカーが、子どもたちをプログラムに引き寄せてくれます。そして、プログラムもすべてサッカーと連動しているのです。」

デストラ村から始まり、現在では他の2つの村でも子どもたちは週に5回集まり、毎日サッカーと教育プログラムに参加する。プレー・アカデミーwith大坂なおみの2020-21年度の助成金により、GOALSは「一つの男子チームに合わせて女子チームを」というフェアプレールールで、女の子も男の子と同じようにサッカーの恩恵を受けられるようにした。

その結果、男の子が自ら姉妹や従妹、近所の人を勧誘していることが判明。結果、現在各拠点で25人ずつの4チーム(女子、男子、低学年女子、低学年男子)が結成され、定期的に大会が開かれている。

女の子がプレー出来るようになることは非常に重要。従来、家族は両方に通学させる余裕がないため、男の子を優先して通学させることを選択する家庭ばかり。そして女の子は、洗濯物を手で洗ったり、何キロもの水を汲むために遠くまで歩いたり、といった家事の手伝いをするために残る。

サッカーコーチのMarie-Flore Charles氏は、「この国の家庭は経済的に厳しく、女の子には明るい未来のための選択肢があまりありません」と話す。「この国には多くの欠点がありますが、ハイチが提供するサービスの不足により、最も苦しんでいるのは女の子たちであるとも言えるでしょう。幼少期から成人期まで、女の子たちは多くの試練や困難を経験するのです。」

そしてその苦悩は2021年COVID-19の大流行だけでなく、7月に大統領が暗殺され、翌月にはマグネチュード7.2の大地震が発生し、課題はより大きくなる。これは普段からの暴力、飢餓、健康問題、育児放棄、治安など、彼女たちが日々直面している様々な課題の上に更に積み重なった。

「私たちが求める唯一の希望は、良い仕事を見つけるためだけでなく、困難な生活環境の中でせめて正しい判断を下せるだけの賢さを身につけるために、良い教育を受けられることです」と、Charles 氏は述べた。

プレー・アカデミーwith大坂なおみは、大坂なおみ、ナイキ、ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団のパートナーシップによって生まれたプログラムで、遊びとスポーツを通じて女の子たちの人生を変えることを目的としています。2022年も承認されたプレー・アカデミーの助成金により、GOALSは更にジェンダーに基づく暴力について教えるプログラムを追加し、子どもたちがその意味を理解し、警告標識を識別し、自分自身を守る方法を学ぶことができるよう教育。これは、正に次世代のリーダーを育成するためのプロセスの一環だと考える。

「GOALSは、何が正しくて何が間違っているのか、女性に対する暴力に対しての善悪の判断力を教えてくれるところが強みだと思います」と、15歳のFrancescaは語る。

文: Play Academy