NPO法人モンキーマジック、プレー・アカデミーと一緒に多くの女の子に「見えない壁にチャレンジ」しながら自信に繋げる機会を提供

Coach helps girl on climbing wall
あんじゅさん(左)をガイドするスタッフの白井唯氏(右)

2005年に設立されたNPO法人モンキーマジックは、代表の小林幸一郎氏自身が視覚障害のクライマーであり、「見えない壁だって、越えられる。」をコンセプトに、フリークライミングを通じて、視覚障害者をはじめとする人々の可能性を大きく広げることを目的とし、活動している団体である。

2022年よりプレー・アカデミーの助成受給団体として加わり、新たに発足した「チャレンジドガールズクライミングスクール」。今ではすっかり常連となった視覚障害をもつ11歳のクライマー、あんじゅさん。最初はたまたま友達に誘われて、NPO法人モンキーマジックのイベントに参加したのがきっかけで、その時からとりこに。

途中ですごいもう疲れて、息とかもあがって、あー苦しいと思うけど、でも下のほうから頑張れーとかって言ってくれて。それで登り切った時に何か一つ壁を越えたな、っていう達成感があるのが一番感動、惹かれました。

モンキーマジックでは本来障害、性別関わらずユニバーサルにクライミングを楽しみ、多様性を認め合う事に重点を置いてきたが、この「チャレンジドガールズクライミングスクール」の設立をきっかけに女の子に視点を置き、一年目にして既に多方面で様々な学びが感じられたと話す担当者の白井氏。

女の子に目線をやってみると、考慮した方がいい場所とか、スタッフ側に女性がいた方がいいとかそういうの(女性にとっての居場所をどのようにスポーツで作っていくのか)を改めて学ばせてもらってると思います。

クライミングに挑戦するあんじゅさん

プレー・アカデミーの助成金によって発足した「チャレンジドガールズクライミングスクール」は、障害がある女性の自立支援を目的とし、女の子や女性にクライミングというスポーツで身体を動かす機会と楽しさを体験してもらい、「登りきれた」という諦めない気持ちや自分で考える気持ちを育み、女性のエンパワーメントを引き出すことを目的としている。今日までに既に11回のイベントが開催され、常連や初参加の方も少しづつ増える中、保護者の方からも感激の声や子どもの成長を体感してもらっている。

実際に参加者と一緒にクライミングを楽しみ、声かけに意識を向けてスクールを担っている白井氏によると、

クライミングってある意味危険なスポーツで、ハードルがやっぱり高いと思いますが、そこを「一個やってみたら自分でも出来るんだ」とか、そのように感じてもらえるのは「将来的に何かにチャレンジしなきゃいけない」っていう時にこの経験が生かされると思います 。特に思うのが、保護者の方たちが「うちの子こんなことできるんだね」って言って結構感動する方が多いことです。保護者の理解がそれで広がると子供達にどんどん挑戦するように促してくれていて、世界が広がってるんじゃないかなと思います。

チャレンジドガールズクライミングスクールのみならず、他のプレー・アカデミーのイベントでも顔なじみとなっているあんじゅさんは、「クライミングでちょっと手を伸ばしても届かなかった時に工夫して届いたときに、これなら行けるぞみたいにテンションが上がって自分ならゴールできるみたいな自信が湧いてきます」と、継続参加していく中で自分自身の成長を感じ、まさにエンパワーされている一人である。

本年も引き続き助成金の団体に決まった、NPO法人モンキーマジック。今後は周知にもっと力を入れ、どんどん影響の輪ーエンパワーメントの輪、を広げていきたいと白井氏は次のステップへの意気込みを語った。助成金二年目の壁は、どのような景色や風景を見せてくれるのだろうか。

文: Play Academy