ラクロスを通じて都内のユースやその保護者を支援するスポコン

Coach gives high five to girl after playing lacrosse
応援してくれるコーチのおかげで、ラクロスを通じて自身の成長を実感するエマさん © Hiroki Nishioka

小学1年生からラクロスを始め、楽しさと保護者の熱心なサポ―トで自然と上達し、自身でも成長を実感しているという、現在小学5年生で世田谷マクピーズに所属するエマさん。

ユースラクロスチーム、世田谷マクピーズ(Magpies)は、プレー・アカデミー with 大坂なおみの助成受給団体であるスポコンがプログラムの提供やサポートで「ラクロスを通じた子ども達のエンパワメント」として携わっているチームである。スポコンは、マイナースポーツの推進及びスポーツを通して人々の可能性を拓くことをミッションとして掲げて、複数のプログラムとスポーツをサポート。女の子のスポーツ離れ・ドロップアウト率が高い事を踏まえ、本助成金を受け、世田谷マグビーズと連携し、ハードルが低いマイナースポーツであるラクロスに挑戦する事によって継続を促し、コーチや保護者のサポ―トも手厚くし女の子のスポーツ参加、及び継続に力を入れている。

Coach tips off a ball as two kids try to get it
© Hiroki Nishioka

そんなプログラムの参加者の一員であるエマさんは、ラクロスを通して自身の成長ー自己効力感や自己価値が上がっていることを体感している。「自分の良いところを常に伝えてくれ、失敗してもそれを責めることなく次のチャレンジへ背中を押してくれたコーチの関わりや、常にラクロスへの前向きな気持ちを応援してくれ、様々な練習も一緒にしてくれた保護者の存在が、ラクロスを続ける原動力になっていた」と話す。これは正にスポコンのサポートの一つである、「指導者向けダブルゴールコーチングプログラム(DGC)」の成果である。このDGCは、現場で子どもたちにラクロスの指導を行うコーチ向けに、競技結果(勝利)とスポーツを通じた人間的な成長を両立するためのメソッド。試合で勝てなくストレスを感じていたエマさんのような参加者にとってはとても響く内容であり、結果「自分が得点を取ることも嬉しいが、仲間と共に喜びあうことに楽しみを感じるようになってきた」と話してくれた。

このDGCに加え、スポコンが提供するサポートで特徴的なのが、「セカンドゴール・ペアレンツ(SGP)」というプログラム。スポーツをする子どもをサポートするために保護者が押さえておくべきポイントを整理したものであり、一番近くに居て影響が大きい保護者の存在を認識し、サポートする。このプログラムに参加されているエマさんの母親・ミツヨミツヨさんは「SGPプログラムを通じて、『〜をしなさい!』や『〜を直しなさい!』という声がけをいきなりするのではなく、まずはエマの話をしっかり聞き、そこからアドバイスや意見交換をすることを心がけるようになりました」と。また、「SGPプログラムは、子どもの成長と共に、私たちの親としての心の気づきや成長にもつながっていると感じています」と、子どものみならず親自身もポジティブな変化を実感。

© Hiroki Nishioka

更に世田谷マクピーズでは、日本代表クラスのラクロス選手のプレーを見たり実際に一緒に練習する機会もあり、ミツヨさんは「彼女は将来その先輩のようになりたいと考えていて、スポーツを通じたロールモデルになっている模様」と話す。

プレー・アカデミーが女の子のスポーツ参加で大切だと考えるエンパワメント、ロールモデル、継続できる環境の三つをラクロスで見つけたエマさん。近い将来、そんな彼女もきっと誰かのロールモデルとなり、スポーツを通したエンパワメントの輪がまた広がることを期待。

文: Play Academy